本帰国や転勤が決まって、子どもを国立大学の附属小学校に入れられないかと考えたとき、国立小学校 編入と検索する保護者は少なくありません。結論から書きます。国立の附属小学校に途中の学年から入る道は、「帰国した子のための学級・枠」と「一般の転入・編入」の2つです。帰国した子のための学級は、東京学芸大学附属大泉小学校の国際学級、お茶の水女子大学附属小学校、千葉大学教育学部附属小学校、福岡教育大学附属福岡小学校などにあります。一方、一般の転入・編入は欠員があるときだけ、学年を絞って年1回が基本で、年によっては実施しません。そしてどちらの入口も、決められた通学区域に保護者と住むことが条件です。この記事は、全国の附属小学校の公式サイトと募集要項(2026年10月6日確認)をもとに整理しました。

国立小学校の編入には2つの入口がある
国立大学の附属小学校は、1年生の入学試験(抽選や検査)で入るのが普通です。途中の学年から入る道は、大きく次の2つに分かれます。
- 帰国した子のための学級・枠:「帰国児童学級」「国際学級」「帰国子女枠」などと呼ばれます。海外生活が2年以上、帰国して1年以内といった条件があり、募集は年に数回、または空きがあれば随時です。
- 一般の転入・編入:国内の転勤などで引っ越してくる家庭向けです。東京学芸大学附属小金井小学校の校則は「児童定員に欠員がある場合に限り」編入・転入を許可できると定めています。実際の募集も「若干名」で、対象の学年は1〜3学年に限られ、年1回です。
海外から帰る家庭なら、まず帰国した子のための学級・枠がある学校かどうかを確かめます。その枠がない学校でも、一般の転入・編入の募集に応募できる場合があります。
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帰国した子のための学級・枠がある附属小学校
2026年10月時点で、公式の募集要項を読んで確認できた学校を並べます。同じ「帰国」の枠でも、学年・時期・条件は学校ごとにまったく違います。
| 学校 | 学級・枠 | 学年と時期 | 主な条件 |
|---|---|---|---|
| 東京学芸大学附属大泉小学校(東京都練馬区) | 国際学級 | 4月編入=新4〜6年、9月編入=3〜6年。各若干名 | 海外生活が合計2年6か月以上(0〜2歳を除く)、日本の小学校の経験が1年以内。国籍は問わない。指定の19区市に保護者と住む |
| お茶の水女子大学附属小学校(東京都文京区) | 帰国児童教育学級 | 2027年1月入学は4・5年(6年は募集なし)。12月24日に検定、次回は2027年3月下旬の予定 | 日本国籍。帰国直前に2年以上海外に住み、日本人学校を除く外国の学校に2年以上在学。東京23区と西東京・武蔵野・三鷹・調布・狛江に保護者と住む |
| 千葉大学教育学部附属小学校(千葉市) | 帰国児童学級 | 4年(計15名)、5・6年(若干名)。定期の調査は毎年3月、定員に達するまで随時受付 | 日本国籍。海外生活が原則2年以上、現地校・インターに2年以上(最後に在籍したのが全日制の日本人学校なら対象外)。千葉市など8市に住み、通学は片道60分以内 |
| 愛知教育大学附属名古屋小学校(名古屋市) | 国際学級 | 令和8年度は5年(15名)・6年(欠員分)。原則月1回の入級検定。令和9年度の5年生以降は募集停止 | 在外2年以上、帰国後1年以内。国籍は問わない。日常会話程度の日本語。通学1時間程度 |
| 福岡教育大学附属福岡小学校(福岡市) | 帰国児童教育学級 | 4〜6年の各若干名。選考は年3回(7月下旬→9月、12月下旬→1月、3月下旬→4月) | 原則日本国籍。海外生活2年以上で帰国後1年以内。保護者と同居し通学は最大50分 |
| 香川大学教育学部附属高松小学校(高松市) | 帰国子女枠 | 6年を除く各学年。枠に空きがあれば随時(まず電話で確認) | 日本国籍。転勤などで2年以上続けて海外に住んだこと。高松市内に保護者と住む |
| 熊本大学教育学部附属小学校(熊本市) | 国際クラス(2026年4月開設) | 4月入学=新2〜6年(12月選考)。秋の募集もあり | 海外で継続1年以上、現地校・インターに連続1年以上。英語で意思疎通できること。選考は算数・英語・面接をすべて英語で行う |
このほか、横浜国立大学教育学部附属横浜小学校は帰国した子を普通の学級に受け入れる随時の募集を出していましたが、確認できた要項は令和3年度のものでした。大阪教育大学附属池田小学校と京都教育大学附属桃山小学校も公式サイトに帰国児童の募集の案内がありますが、今回は本文を開いて確かめられませんでした。関西で探す場合は、この2校の最新の案内を直接確認してください。
文部科学省の一覧(平成27年5月現在)では、帰国した子のための独立した学級を置く附属小学校は、千葉・大泉・お茶の水・名古屋・福岡の5校でした。2026年も5校とも募集要項を出していますが、名古屋は募集を縮小しています。
いちばん問い合わせの多い大泉小の国際学級
東京 国立小学校 編入で調べると、まず名前が挙がるのが東京学芸大学附属大泉小学校の国際学級です。令和8年度の要項から要点を抜き出します。
- 時期は年2回:4月編入(新4〜6年・3月25日に調査)と9月編入(3〜6年・8月18日に調査)。どちらも当日の15時頃に発表されます。
- 帰国した日付で受けられる回が決まる:4月編入は2025年8月18日〜2026年3月20日、9月編入は2026年3月21日〜8月6日に帰国した子が対象でした。一時帰国では受けられません。
- 海外で何語で学んできたか:現地校やインターナショナルスクールで日本語以外で学んできた子が対象です(補習校に通っていてもかまいません)。日本人学校に通っていた子は、家庭の主な言語が日本語以外の場合に限られます。
- 調査の中身:日本語の会話力、日本の生活や文化への理解、学年相当の国語と算数の基礎、作文(外国語か日本語を選べる)。保護者面接もあります。
- 住所が決まっていなくても受けられる:ただし合格したら、4月編入なら3月31日までに転居先を決め、4月20日までに区域内へ転居して住民票を出すことが条件です。
- 1・2年生は国際学級ではない:一般の学級に入る9月編入の募集だけがあります。
費用は入学金・授業料がかかりませんが、教材費や給食費(月6,000円)のほか、後援会の入会金(4年生で入る場合は10万円)と年会費5万円が案内されています。公立の手続きと比べたい方は帰国子女 編入 小学校 東京もあわせてご覧ください。

一般の転入・編入は「欠員のときだけ・年1回・学年を絞って」
帰国した子のための枠がない附属小学校でも、一般の転入・編入を募集する年があります。2026年に公式の要項で確認できた例は次のとおりで、どれも「若干名」で、学年は1〜3学年に限られていました。
- 山形大学附属小学校:令和9年度は新4年のみ。11〜12月に出願、1月に国語・算数の学力検査と運動能力検査、保護者面接。
- 岩手大学教育学部附属小学校:新5年のみ。12月に選考。
- 秋田大学教育文化学部附属小学校:新2年のみ(令和7年度)。国語・算数・体育の検査と面接。
- 山口大学教育学部附属山口小学校:新5年のみ(令和7年度)。国語・算数・作文の筆記と面接。
- 岡山大学附属小学校:2・3・5年(令和7年度)。学区外から学区内へ転居してくる家庭が対象で、すでに学区内に住んでいる人は受けられません。
- 北海道教育大学附属札幌小学校:令和8年度は「実施しません」と公示しています。
つまり一般の転入・編入は、子どもの学年と、募集のある学年が合うかどうかで、受けられるかが決まります。来年は別の学年が募集されることもあれば、募集そのものがないこともあります。帰国の時期が決まったら、候補の学校の「転入学」「編入学」のページを毎月見ておくのが確実です。
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どの附属小学校にも共通する4つの条件
学校ごとの違いは大きいものの、募集要項を並べると共通点がはっきりあります。
- 決められた区域に保護者と住む:確認したすべての学校が、指定の市区町村に保護者と住むこと、または通学時間の上限(50分・60分・1時間程度)を条件にしています。祖父母の家から通う形は認められないと考えてください。
- 帰国枠は「帰国して1年以内」が目安:福岡・名古屋などは帰国後1年以内。大泉は帰国した日付を半年ごとに区切っています。帰国して時間がたつと、帰国枠ではなく一般の募集でしか受けられなくなります。
- 6年生は募集しない学校が多い:お茶の水・香川などは6年生の募集がありません。高学年で帰国する場合は、選べる学校が一気に減ります。
- 日本人学校から帰る子は対象外のことがある:千葉は最後に在籍したのが全日制の日本人学校なら対象外、お茶の水は日本人学校を除く外国の学校に2年以上が条件です。帰国枠の多くは「日本語以外で学んできた子」のための枠だからです。
試験は、国語・算数などの簡単な筆記、本人の面接、保護者の面接が基本の形です。検定料は今回確認したどの学校も3,300円でした。小・中・高の編入試験で何が出るかは帰国子女の編入試験にまとめています。
附属の帰国学級は「英語を保つ場所」ではない
ここは誤解されやすいところです。国立の附属学校の帰国学級は、文部科学省の説明では、帰国した子への指導の実践的な研究のために置かれてきたものです(文部科学省の施策概要では昭和49年度から)。そのため目的は日本の学校に慣れることで、大泉小の要項は「外国語の会話力の保持教育は行いません」、横浜小の令和3年度の要項は「英語力の保持等の指導は一切行いません」と書いています。英語の授業がある熊本大附属の国際クラスは、例外の新しい形です。
帰国後の学校を選ぶときは、公立・国立・私立に加えて、帰国前からの日本語の準備まで含めて考えると、選択肢を比べやすくなります。
| 公立小学校 | 国立附属の帰国学級 | 私立小学校 | ともだちじゃぱん | |
|---|---|---|---|---|
| いつ入れるか | 帰国した時点でいつでも | 決まった月だけ(年1〜3回、または空きがあれば随時) | 決まった月に若干名 | 海外にいるうちから |
| 選考 | なし(住所で決まる) | 筆記・面接・保護者面接 | 国語・算数と面接が中心 | なし |
| 住む場所 | その市区町村 | 指定の区域に保護者と | 通学できる範囲 | 世界のどこからでも(オンライン) |
| 日本語の扱い | 自治体によって日本語指導あり | 日本の学校に慣れるための指導 | 学校による | 学年相当の国語を、日本の同世代と8人のクラスで |
| 費用 | 授業料なし | 授業料なし(後援会費などは別) | 受験料・入学金・授業料 | 月額定額制(学費は資料でご案内) |

帰国前にできること:時期の照合と、国語を止めないこと
国立の附属小学校を考えるなら、帰国の半年前には次の2つを始めておくと慌てずにすみます。
1つめは、帰国の日付と募集の月の照合です。大泉のように帰国した日付で受けられる回が決まる学校もあれば、千葉のように3月の調査が基本の学校もあります。帰国が募集の月とずれたら、まず住む区域の公立小学校に入り、次の募集で受けるという順番になります。公立の手続きと学年の決まり方は帰国子女の小学校編入と本帰国後、小学校はいつから通える?にまとめています。
2つめは、学年相当の国語を止めないことです。帰国枠の調査でも一般の編入試験でも、見られるのは学年相当の国語と算数の基礎です。そして入ったあとも、授業はすべて日本語で進みます。会話はできても、教科書の文章や漢字でつまずく子は少なくありません。なぜそうなるのかは帰国子女の国語|「できない」の正体で、漢字の戻し方は帰国子女の漢字ドリルで取り上げています。

ともだちじゃぱんは、海外で育つ子どものためのオンラインの日本語スクールです。日本の現役水準の先生が担任につき、8人の少人数クラスで、日本の同世代と一緒に学年相当の国語を学びます。附属小学校を受けるにしても公立に入るにしても、帰国の日まで日本語の学びと日本の友達を途切れさせないための場として使っていただけます。
よくある質問
国立小学校に、途中の学年から編入することはできますか?
できる場合があります。入口は、帰国した子のための学級・枠と、一般の転入・編入の2つです。一般の転入・編入は欠員があるときだけ、学年を絞って年1回が基本で、実施しない年もあります。どちらも、指定の区域に保護者と住むことが条件です。
帰国子女を受け入れている国立小学校はどこですか?
2026年の募集要項で確認できた帰国児童の学級・枠は、東京学芸大学附属大泉小学校(国際学級)、お茶の水女子大学附属小学校、千葉大学教育学部附属小学校、愛知教育大学附属名古屋小学校(令和9年度の5年生以降は募集停止)、福岡教育大学附属福岡小学校、香川大学教育学部附属高松小学校、熊本大学教育学部附属小学校(国際クラス)です。
住所が決まっていなくても、編入の試験を受けられますか?
受けられる学校があります。大泉小は住所が決まっていなくても受けられますが、合格したら決められた期日までに区域内へ転居し、住民票を出すことが条件です。期日までに転居できないと資格が取り消されます。
国立小学校の帰国学級で、英語は続けられますか?
多くの学校では続けられません。大泉小は「外国語の会話力の保持教育は行いません」と要項に書いています。帰国学級の目的は日本の学校に慣れることです。例外として、熊本大学教育学部附属小学校の国際クラスは授業の多くを英語で行います。



