ロンドンで子どもの日本語を育てる選択肢は、世界最大級の補習校からチェルシーの小さな継承語教室まで、実はとても豊かです。ところが検索で出てくるのは学校名の列挙ばかりで、学費や「うちの子にはどのタイプが合うか」まで踏み込んだ比較記事がありません。この記事では、ロンドンの子ども向け日本語教室・補習校・塾を「国語型」「継承語型」に整理し、公開されている学費を出典つきで比較します。日英ハーフのお子さんに重要な補習校「日本語科」やGCSE・Aレベル日本語という英国ならではの話も、正面から扱います。
ロンドンの子ども日本語教室・補習校 比較一覧
| スクール | タイプ | 曜日 | 対象 | 料金の目安 | エリア |
|---|---|---|---|---|---|
| ロンドン補習授業校(小・中・高等部) | 国語型 | 土曜午前 | 小1〜高3 | 学期£399〜421+入学金£312 | Acton/Brent/Croydon |
| ロンドン補習授業校「日本語科」 | 継承語型 | 土曜午前 | 6〜15歳 | 学期£421+入学金£312 | Actonのみ |
| 英国前田学園 土曜幼児教室 | 継承語・文化体験 | 土曜午前 | 年少〜年長 | 学期£527〜737 | Finchley/Acton |
| ことばの架け橋 日本語教室 | 継承語型 | 土曜 | 未就学〜中学生 | 要問い合わせ | Ealing |
| チェルシーこどものひろば | 継承語型 | 土曜 | 3歳〜小学生 | 要問い合わせ | Chelsea |
| NIHONGOSCHOOL 継承語コース | 継承語・GCSE/Aレベル | 土曜ほか | Y7〜Y13 | £220〜260/10週 | Forest Hill+オンライン |
| JOBA ロンドン校 | 国語型+継承語対応 | 平日夕方・土曜 | 小1〜高校生 | 要問い合わせ | Acton/Finchley/Wimbledon |
| ena国際部・早稲田アカデミー ロンドン校 | 国語型(受験) | 平日・土曜 | 小1〜高校生 | 要問い合わせ | Ealing/Acton |
| ともだちじゃぱん | オンライン・会話/友達 | 週末午前が好相性(通い放題) | 5〜18歳 | 月24,800円(約£110) | 自宅 |
それぞれの特徴を正直にレビュー
① ロンドン補習授業校――世界最大級。ただし「学年相当の国語力」が前提
約600の現地校・インター校から約1,300名が通う、世界最大級の補習校です。毎週土曜9:30〜12:15、アクトン・ブレント・クロイドンの3校舎で日本の教科書どおりの国語を学びます(2026年度:学期£399〜421+入学金£312)。入学には説明会参加と対面面談があり、読む・書く・話す聞くを日本語で審査。学年相応の国語力がないと不許可や学年変更もあり、学年によっては満席でウェイティングが発生することも公式に明記されています。「入れれば手厚い、ただしハードルは低くない」学校です。公式サイト
② 補習校「日本語科」――日英家庭のための継承語学部(知られざる選択肢)
実はロンドン補習授業校には、継承語専用の「日本語科」(6〜15歳・日1〜日8の8学級・アクトンのみ)があります。公式に「継承語としての日本語力の習得が主目的。外国語としての日本語学習ではない」と明記され、国語教科書を2年かけて1学年分進むゆっくり設計。「補習校=学年相当で無理」とあきらめていた日英家庭にこそ知ってほしい学部です。条件は「家庭での日本語環境が整っていること」。ここが満たせるかが面接のポイントになります。日本語科の案内

③ 英国前田学園 土曜幼児教室――未就学期の日本語と文化の入口
1993年設立、英国教育省認可の日本人幼稚園が母体。土曜午前に童謡・季節行事・書道・茶道・剣道まで、遊びと文化体験を通して日本語に触れます(年少〜年長、学期£527〜737)。「勉強」が始まる前に「日本語=楽しい」の土台をつくる場として、未就学のご家庭の定番です。公式サイト
④ ことばの架け橋・チェルシーこどものひろば――地域密着の継承語教室
西のイーリングにはことばの架け橋(小1〜中学生、読書・GCSE対応クラスあり)、中心部にはチェルシーこどものひろば(3歳〜小学生、Sloane Square駅徒歩3分)。どちらも「多言語環境で育つ子の日本語」を専門に見る継承語教室で、文化体験と少人数の温かさが持ち味です。料金は問い合わせ制。ことばの架け橋/こどものひろば
⑤ NIHONGOSCHOOL・JOBA・ena・早稲アカ――GCSE/Aレベルと受験の出口
英国ならではの強みは、日本語がGCSE・Aレベルという「学校の成績」になること。NIHONGOSCHOOLの継承語コース(Y7〜13、最大6名、£220〜260/10週)はGCSE〜Aレベル対策に特化し、JOBA(1986年開校の帰国子女教育専門)は受験国語からGCSE対応の日本語サポートまで両対応。日本への帰国受験が視野ならena国際部・早稲田アカデミー ロンドン校が定番です(塾系はいずれも料金非公開)。NIHONGOSCHOOL/JOBA
選び方――「出口」から逆算するのがロンドン流
- 帰国予定の駐在家庭→ 補習校(小・中・高等部)+必要に応じて受験塾。学年相当の国語力の維持が最優先。
- 永住・日英家庭→ 日本語科・継承語教室で「無理のないペース」を。中学生からはGCSE/Aレベル日本語という明確な出口が使えます。
- 未就学→ 前田学園などで「日本語=楽しい」の貯金を。
- どのルートでも足りないのが「日本語を話す量」→ 週1回・土曜だけでは、ことばは「使うもの」になりません。次のセクションへ。
オンラインという選択肢――土曜の朝ごはんのあと、日本は夕方
「日本のオンラインスクールは時差で無理でしょう?」――ロンドンでよく聞く声ですが、実は逆です。英国の週末の朝〜午前中が、日本のゴールデンタイム(夕方)にぴったり重なります。

2026年12月開校のともだちじゃぱんは、日本在住の同世代(姉妹校NIJINアカデミー在籍800名超)と少人数グループで話すオンライン日本語スクールです。ロンドンからは週末の午前×日本の夕方クラス、学校休暇中は平日も使えます。会話レベルでクラス分けするので、日本語科レベルの子も学年相当の子も、自分のペースで参加OK。月24,800円(約£110)で通い放題です。土曜の教室と役割がぶつからない――むしろ「土曜に学んだ日本語を、日曜の朝に友達と使う」補完関係になります。詳しい併用の考え方は補習校の代わりにオンラインという選択肢をどうぞ。


よくある質問(ロンドン在住の方から)
補習校の面談に落ちたら、もう選択肢はない?
あります。まず同じ補習校の「日本語科」(継承語・2年ペース)が検討でき、ことばの架け橋・こどものひろば等の継承語教室、そしてオンラインがあります。面談の合否は「今の国語力」の判定であって、その子の可能性の判定ではありません。
日英ハーフの子に、GCSE日本語は本当に有利ですか?
家庭で日本語に触れて育った子にとって、GCSE・Aレベル日本語は得点源になりやすい科目です。ただし読み書きの積み上げは必要なので、Y7以降に慌てるより、小学生のうちから「話せる・読める」を続けておくのが結局いちばんの近道です。
時差があっても平日に参加できますか?
平日は英国の学校時間と日本の夕方が重なるため、基本は週末の午前がおすすめです。ハーフターム・夏休みなどの学校休暇中は、平日午前(日本の夕方)にたっぷり参加できます。通い放題なので、参加できる時期に集中して使う形が合理的です。
帰国が決まったら、オンラインは無駄になりませんか?
むしろ逆で、日本の友達がいる状態で帰国できるのが最大の価値です。帰国後の学校生活の助走になりますし、ロンドンで一緒だった友達とも場所を問わず続けられます。
📚 海外駐在の国語・日本語の総合ガイド:海外駐在×子どもの「国語・日本語」完全ガイドで、補習校・帰国受験・都市別の選び方をまとめて確認できます。
ロンドンで送迎の負担なく続けたいご家庭には、海外の子ども向けオンライン日本語スクール「ともだちじゃぱん」も選択肢です。

