マニラ日本人学校の評判を調べると、「保護者の満足度が高い」「英語はあまり伸びない」「安全管理がしっかりしている」「放課後が長くて外遊びが少ない」「スクールバスは学校が運行していない」「学費のほかに寄付金がある」といった話が出てきます。どれが本当なのか。この記事では、マニラ日本人学校(Manila Japanese School:MJS)が公式サイトで公開している学校評価アンケートの結果(2026年6月実施・回答率74.1%)と、保護者の自由記述への学校の回答、入学案内・スクールバスの案内・時程表(いずれも2026年10月25日確認)を読み、口コミでよく見る話題を一つずつ確かめます。
先にお伝えしておくと、マニラ日本人学校は保護者アンケートの数字と、保護者の意見への回答を毎回そのまま公開している学校です。満足度の数字を出していない日本人学校も多いなかで、これは珍しいことです。だからこの記事では、「◯◯らしい」ではなく、保護者371人の回答と学校自身の言葉で評判を読み解きます。良い話も、入る前に知っておきたい話も、同じ重さで書きます。

まず基本――BGCにある497名の小中一貫校で、保護者アンケートを公開している
マニラ日本人学校は、在フィリピン日本国大使館附属の全日制の学校で、1968年開校。小学1年生から中学3年生までが一つの校舎で学ぶ小中一貫校です。住所はタギッグ市ボニファシオ・グローバル・シティ(BGC)のユニバーシティ・パークウェイ36番通り、児童生徒数は全校497名(2026年4月15日現在)。日本の学習指導要領に沿って、日本語で授業が行われます。
| 項目 | 学校が公開している内容 |
|---|---|
| 所在地 | 36th St. University Parkway, Bonifacio Global City, Taguig City(BGC) |
| 児童生徒数 | 497名(2026年4月15日現在) |
| 学部 | 小学部・中学部(小中一貫)。高等部はない |
| 1日の時程(小学部) | 登校7:15〜7:30、1校時7:45〜、昼食11:30〜11:55、6校時終了14:20、帰りの会14:30まで |
| 学期 | 3学期制。2026年度は4月13日始業、夏休み7月18日〜8月23日、年間授業日194日 |
| 編入 | 通年で受付。国語・算数(中学は英語も)の個別試験、合否は即日、合格の翌日から登校可 |
| 保護者アンケート | 年2回(6月・11月)実施し、結果と自由記述への回答をサイトで公開 |
フィリピンの日本人学校は実質この1校だけなので、「マニラ日本人学校の評判」は「フィリピンで日本の教育課程を受ける唯一の選択肢の評判」でもあります。インターとの比べ方はマニラの日本人学校とインターの比較で書いています。
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評判1「保護者の満足度が高い」――本当。「入学させてよかった」は97.8%
いちばん大きな話から確かめます。2026年6月の学校評価アンケート(回答率74.1%)で、「MJSに入学させてよかったと思っている」に「そう思う」と答えた保護者は65.2%、「ややそう思う」を合わせると97.8%でした。「そう思わない」は0.3%(1人)です。前回の2025年11月は98.1%で、2回続けて97%を超えています。回答数から見ると、371世帯前後の保護者がこの設問に答えています。
| 設問(抜粋) | 2025年11月 | 2026年6月 |
|---|---|---|
| MJSに入学させてよかったと思っている | 98.1% | 97.8% |
| お子さんは、授業がわかりやすいと言っている | 90.5% | 93.8% |
| お子さんは、人の嫌がることはせず、友達と仲良くしている | 94.6% | 94.9% |
| 学校は、安全管理・危機管理への対策を適切に行っている | 94.3% | 92.7% |
| 学校は、保護者の思いや願いに対して適切に対応している | 91.1% | 93.3% |
| 学校は、いじめのない学校づくりに取り組んでいる | 91.1% | 91.6% |
| 学校は、子ども一人一人に適切な指導や支援を行っている | 87.9% | 87.3% |
| お子さんは、英会話等の授業を通して、英会話力を向上させている | 69.5% | 69.3% |
| お子さんは、すすんで(外で遊ぶなど)体を動かしている | 71.7% | 73.0% |
| お子さんは、よく本を読んでいる | 55.2% | 57.4% |
表を上から下へ読むと、この学校の評判の形が見えてきます。授業・友達関係・安全・学校の対応は9割台で高く、英会話・運動・読書は6〜7割台で低い。つまり「学校としての満足度は高いが、英語と、学校の外の生活習慣に課題がある」というのが、保護者自身が出している評価です。以下の評判は、ほぼこの表のとおりに分かれます。
評判2「英語はあまり伸びない」――半分本当。英会話力の向上は69.3%で最低群
「マニラ日本人学校だと英語が話せるようにならない」という声は、アンケートの数字と一致します。「英会話等の授業を通して、英会話力を向上させている」に肯定的な保護者は69.3%で、全17項目のなかで読書に次いで低い数字です(2025年11月も69.5%)。学校の英会話は小学部で週2時間、中学部で週1時間。ネイティブの現地講師が6クラスのレベル別で教え、校内で年3回英検を受けられますが、1日の大半は日本語の授業です。
2026年6月の自由記述には、英会話のクラス分けについて「児童の人数を均等化することを重視しており、児童の英語力やアンケートを加味しておらず不満がある」という意見が載っています。学校の回答は、前年度まで「クラス間の人数の偏り」という意見があったため、公平な学習環境と発話量の確保のために人数を均等にした、というものでした。英語の習熟度でクラスを分ける仕組みではない、ということです。「英語『を』学ぶだけでなく、英語『で』学ぶ機会があるとよい」という意見には、学校は「日本の学習指導要領に基づき、日本人学校として質の高い教育を提供することを大切にしている」と答えています。英語のために入る学校ではない、と学校自身が線を引いています。英会話授業の参観は、担任に声をかければできます。
英会話の中身と、英語を伸ばしている家庭が学校の外で何をしているかはマニラ日本人学校の英語は話せない?で詳しく書いています。
評判3「安全管理がしっかりしている」――本当。92.7%。ただし保護者はもっと知りたがっている
「安全管理・危機管理への対策を適切に行っている」は92.7%(2025年11月は94.3%)。BGCの校舎はゲートと警備員のある構えで、治安面の心配が多いマニラで、この数字は学校選びの安心材料になります。
同時に、自由記述を読むと保護者がどこを気にしているかがわかります。「校内での怪我や病院への緊急搬送が多いと聞く。件数や状況を保護者全体で共有してほしい」という意見に、学校は「今年度、学校から病院への緊急搬送は2件」と件数を明かしたうえで、個別の事案の全体公開はプライバシーの面から難しいと答えています。「ドライバーの代わりに配車アプリ(Grab)を使ったら、行きはゲートの中に入れてしまった。セキュリティを強化してほしい」という指摘には「同様の事案がないよう再度徹底する」、校内に猫が入り込んでいるという声には「校外に移動させるよう対応する」と答えています。怪我をしたときの病院用の英文の記録(傷病記録)も、頼めば作ってもらえます。
「学校でのトラブルをよく聞く。手が出たり言ってはいけない言葉が日常的に発生しているようで、先生方がどこまで把握しているか不安」という意見もあり、学校は「見逃すことなく指導し、安全や心身の健康に関わる事案は速やかに保護者へ連絡することを基本にしている」と回答しています。いじめのない学校づくりへの評価は91.6%です。

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評判4「放課後が長い・外遊びが少ない」――本当。下校は14:30、校庭開放はない
小学部の時程表では、登校が7:15〜7:30、1校時が7:45に始まり、6校時が終わるのは14:20、帰りの会は14:30までです。日本の小学校より1時間ほど早く始まり、早く終わります。自由記述には「どうしてもMJSは放課後が長いので、その部分での学校側からのフォローがあるとありがたい」という声があり、学校は「日本国内の学校に比べ登校時間が早い分、下校時間も早くなっている。放課後は授業や行事の準備、会議等を行っているため、教職員による管理・運営は現実的に難しい」と答えています。
「すすんで(外で遊ぶなど)体を動かしている」は73.0%、「よく本を読んでいる」は57.4%で、この2つが保護者の評価のいちばん低いところです。「朝読書と放課後の校庭開放を毎年お願いしても却下されており、マニラという住環境により自然には難しく親の努力次第だと感じている」という意見に、学校は「時間割や安全管理の都合から現状では実施が難しい」としたうえで、海外の生活環境で運動や読書の習慣をつけにくいことは理解している、と回答しています。コンドミニアム中心の生活で、放課後に公園で遊ぶ・図書館に寄るという日本の日常が成り立ちにくい。14:30以降の時間をどう使うかは、家庭が設計する前提で考えておいたほうがよい学校です。
評判5「スクールバスは学校が運行していない」――本当。BGC・マカティ地区のみ
学校のスクールバスの案内には、「学校が直接的な運行管理を行っておらず、サポート的な立場」と明記されています。各家庭がバス運行会社と個別に契約し、料金もバス会社へ直接支払います。利用できるのはBGC地区とマカティ地区の2つで、アラバン地区は利用者が規定の人数に達しておらず運行していません。希望する路線が満席ならキャンセル待ちか追加バスの運行待ちになり、転入学前に座席を予約することはできません。バスポイントとルートは安全上の理由で公表されていません。
マニラの渋滞を考えると、住まいをBGCかマカティに決め、入学手続きのあとすぐにバス利用申請を出す、という順番になります。学校の案内に登場する「ドライバー」や配車アプリの話からもわかるように、バスに乗れない間は自家用車やドライバーでの送迎が前提です。
評判6「学費のほかに寄付金がある」――本当。授業料と施設費で月26,000ペソ
2026年度の校納金は、授業料18,000ペソ+施設費8,000ペソ=月26,000ペソ、入学金26,000ペソ。そして入学・編入学の条件として、入学金とは別に寄付金の納付が必要です。個人(自営業者等)は1世帯2,000米ドル、政府・国際機関関係者は第1子500米ドル、企業勤務の方は企業寄付金(金額は事務室へ照会)と、立場で金額が変わります。企業駐在なら会社が負担するのが通例ですが、現地採用や自営業、国際結婚の家庭は入学時の一時金が重くなります。内訳とインターとの価格差はフィリピンの日本人学校の学費にまとめています。
なお、行事の集金は現金です。「現金以外の支払いにしてほしい」という意見は複数ありましたが、学校は「他の決済方法を導入すると事務処理がかえって複雑化する」として、当面は現金での集金を続けると回答しています。
評判に出てこない部分――入る前に知っておきたいこと
| 項目 | 学校の回答・案内(2026年) |
|---|---|
| 算数の習熟度別授業 | 保護者から要望があるが、教員数と時間割の制約で現行の体制では実施が難しい。学校は標準学力検査(NRT)で高学年の算数に二極化の傾向を見ており、試験的な導入を今後の検討課題としている |
| 水泳 | 全学年で週1回。泳力でA・B・Cのクラス分け。泳げない子のクラスは安全のため日本人教員が担当。毎学期の検定と年1回の記録会 |
| 日本語学級 | 国際家庭の児童向けに毎週金曜日に授業。語彙を中心にアセスメントを行い指導計画に反映 |
| 連絡帳 | 「書ききれずに帰ってくる日がある」という声に、記入時間の確保と、週予定・宿題の伝え方の見直しを約束 |
| 敬称 | 「教員が児童生徒を敬称なしで呼ぶ場面を見た」という指摘に、原則「〇〇さん」と呼ぶことを教職員全体で再確認 |
| 学校の電話 | 固定電話が不通で復旧の見通しが立たず、当面は職員室・事務室の携帯番号へ(公式サイトに掲載) |
| 英検・漢検 | 校内で受けられるが、申し込みは学校ホームページから。知らずに1回目を逃した家庭がある |
| 行事の写真 | カメラマン撮影の写真販売は業者が見つからず未実施 |
この表に並んでいるのは、学校が「できない」とはっきり答えていることと、「直す」と答えていることの両方です。言いにくいことも含めて回答を公開しているのは、満足度97.8%という数字の信頼性を支えている部分でもあります。
どんな家庭に合う学校か
保護者アンケートと学校の回答から見ると、マニラ日本人学校は「数年で日本へ帰る予定で、日本の学校の勉強と生活習慣をそのまま続けたい家庭」に合う学校です。授業がわかりやすい93.8%、友達と仲良くしている94.9%、安全管理92.7%という数字は、日本の公立校と比べても見劣りしません。BGCかマカティに住めば通学の面でも無理がありません。
反対に、英語を学校で伸ばしたい家庭は、英会話が週1〜2時間で、クラス分けも英語力別ではないことを知ったうえで、学校の外で英語に触れる時間を作る必要があります。そしてもう一つ、保護者自身が最も低く評価している読書と運動は、学校ではなく家庭の時間に委ねられています。下校が14:30と早いぶん、放課後の長い時間に、日本語で読む・話す・考える相手をどう用意するか。マニラと日本の時差は1時間なので、放課後がそのまま日本の夕方と重なります。日本の同世代と日本語で話す時間を毎日の放課後に置ける環境は、この学校の弱点とされた部分をちょうど埋めることになります。
行事の充実ぶりを評判どおりか確かめるなら、年間行事予定表そのものを見るのが早道です。2026年度のMJSフェスティバル(10月3日)・修学旅行・大運動会(1月23日)の日程はマニラ日本人学校のスケジュールで月ごとに整理しています。
よくある質問(マニラ日本人学校 評判)
マニラ日本人学校の評判はどうですか?
学校が公開している2026年6月の保護者アンケート(回答率74.1%)では、「入学させてよかった」が97.8%、授業のわかりやすさ93.8%、安全管理92.7%と高い評価です。一方で英会話力の向上は69.3%、読書は57.4%と低く、「英語は学校だけでは伸びにくい」「放課後の過ごし方は家庭次第」という口コミは、保護者自身の評価と一致しています。
児童生徒数は何人ですか?
全校497名(2026年4月15日現在・学校公表)です。小学部と中学部の小中一貫校で、高等部はありません。中学卒業後は日本の高校か、現地のインターの高等部へ進みます。
英語の授業はどれくらいありますか?
英会話は小学部で週2時間、中学部で週1時間。ネイティブの現地講師が、人数を均等にした6クラスで教えます。英語力別のクラス分けではありません。校内で年3回英検を受けられます(申し込みは学校ホームページから)。
スクールバスはありますか?
あります。ただし学校が運行しているのではなく、各家庭がバス会社と個別に契約します。対象はBGC地区とマカティ地区のみで、アラバン地区は運行していません。満席の路線はキャンセル待ちで、入学前の座席予約はできません。
学費はいくらですか?
2026年度は授業料18,000ペソと施設費8,000ペソで月26,000ペソ、入学金26,000ペソ。入学・編入学の条件として、入学金とは別に寄付金(個人は1世帯2,000米ドル、政府・国際機関関係者は第1子500米ドル、企業勤務は企業寄付金)があります。
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