「パース日本人学校 教員募集」で調べている方が知りたいのは、たぶん次のふたつです。この学校はいま先生を募集しているのか。そして、どうすればこの学校で教えられるのか。
先に結論を書きます。パース日本人学校の公式サイトには、採用情報のページがありません(2026年9月25日閲覧)。ただし、ここはオーストラリアの他の日本人学校と事情が少し違います。学校は自らの紹介で、文部科学省から派遣された教員と、日本で教員経験を積んだあとパースに移住した「現地採用教員」の両方が教えていると書いています。学校の年間報告(2025年版・英語)では、派遣教員9人、現地採用の職員9人という内訳です。
つまりパースでは、入口がふたつあります。日本から派遣されて赴任する道と、すでにパースに住んでいる人が学校に採用される道です。この記事は、現役の先生が集うオンライン日本語スクール「ともだちじゃぱん」が、学校の公式サイト・年間報告・文部科学省と西オーストラリア州の公開情報だけを使って、パース日本人学校で教えるための現実的な道筋を整理したものです。

結論:入口は「派遣」と「現地採用」のふたつ
パース日本人学校(Japanese School in Perth、略称JSP)は、西オーストラリア州の州都パースの中心から北西へ約10km、シティビーチの住宅街にある全日制の日本人学校です。文部科学省に認定された在外教育施設であると同時に、オーストラリア連邦政府と西オーストラリア州政府の認可を受けた私立学校でもあります。小学部と中学部があり、日本の学習指導要領に沿って授業をしています。
学校概要のページには、教職員は「文部科学大臣より委嘱を受け派遣された教員」と「現地で採用された教員」から構成されると明記されています。さらに学校の魅力を紹介するページでは、現地採用教員を「日本での教員経験を積んだのちに豪州へ移住し、パースでの生活経験に富んだ」先生だと説明し、派遣教員(最新の日本の教育事情に詳しい)とそれぞれの利点を生かして授業をしている、と書いています。
ここがメルボルンとの大きな違いです。メルボルン日本人学校は小1〜中3の担任を派遣教員が務めると明記しています(オーストラリアの日本人学校の教員募集で全体を比べています)。パースは、現地採用の先生が学校の説明の中にはっきり位置づけられている学校です。

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全校35人・教職員18人という規模
教える側がまず知っておきたいのは学校の規模です。学校が公表している児童生徒数(2026年5月1日現在)は次のとおりです。
| 学年 | 人数 | 学年 | 人数 |
|---|---|---|---|
| 小1 | 5人 | 小5 | 6人 |
| 小2 | 4人 | 小6 | 4人 |
| 小3 | 6人 | 中1 | 4人 |
| 小4 | 3人 | 中2 | 3人 |
| 中3 | 1人 | ||
年間報告(2025年版)によると、2026年1月末時点では小学部35人・中学部7人の計42人でした。2025年4月から2026年1月までに7人が現地校へ移ったり日本へ帰国したりし、その一方で新しい入学があって全体の人数が保たれた、とも書かれています。子どもの入れ替わりが大きい学校だということは、教える側の働き方にも直結します。
同じ年間報告の「Staffing」の項では、職員の内訳を文部科学省からの派遣教員9人、現地採用の職員9人と説明しています。役割の一覧には校長、小1〜小6の各担任、中1・中2合同と中3の担任、専科教員、事務職員、英語科が並んでいます。現地採用の9人には事務職員や英語科の先生も含まれるので、「日本人の担任の半分が現地採用」という意味ではありません。それでも、派遣教員だけで回っている学校ではないことは数字で確かめられます。
もうひとつ、教科の担当の仕方も押さえておきましょう。学校は「中学校では主要教科は全て教科専門教員が担当」していると紹介しています。1学年数人の小さな学校でも、中学部は教科ごとの専門性が求められる。応募を考えるなら、自分の持っている免許の教科と校種が、どこに当てはまりうるかを先に整理しておくのが近道です。
現地採用で教えるための前提
現地採用の道は、パースに住んでいる人にとって現実味のある入口です。ただし、求人が常に出ているわけではありません。公式サイトに採用ページはなく、サイト内を「採用」「募集」で検索しても教員の求人は出てきません(出てくるのは聴講生の募集などです)。関心があれば、学校に直接問い合わせるのが唯一の確実な方法です。問い合わせ先は公式サイトの「お問い合わせ Enquiry」のページにあり、電話は08 9285 1758、所在地は30 Marapana Road, City Beach WA 6015です。
問い合わせる前に、次の3つを確かめておくと話が早く進みます。
- 西オーストラリア州の教員登録:パース日本人学校は州の認可を受けた私立学校です。西オーストラリア州では教員登録委員会(Teacher Registration Board of Western Australia)が、2012年の教員登録法(Teacher Registration Act 2012)にもとづいて教員の登録を行っています。日本の教員免許だけで足りるのかどうかは、登録委員会と学校で必ず確認してください。
- 就労できるビザ:オーストラリアで働くには就労が認められたビザが必要です。要件は雇用形態や時期によって変わるので、この記事では断定しません。オーストラリア政府の公式情報で確認してください。
- 子どもの安全に関する方針:学校は「Child Safe Organisation」として、国の子どもの安全の原則にもとづく方針(児童保護方針、職員の行動規範など)を掲げ、全職員に順守を求めています。年間報告にも、職員の行動規範や児童保護・通報義務の研修を毎年行っていると書かれています。

英語の先生は「教員資格を持つネイティブ」
日本人の先生とは別に、英語の授業を担うのが英語科です。学校は、教員資格を持った英語ネイティブの教師が全学年で英語を教えていると紹介しています。授業は習熟度に合わせた3つのクラスに分かれ、小1・小2は週3時間、小3〜小6は週4時間の英語に加えて、英語で行う「オーストラリア学習(ACL)」が週1時間あります。ACLは現地校の社会科(HASS)を日本人学校向けにアレンジした授業で、オーストラリアの歴史・地理・政治・経済を英語で学びます。
英語で教えられる有資格の先生にとっては、この英語科が学校との接点になりえます。一方で、日本の教員免許を持つ日本人の先生が英語科に入るイメージではない、という点は区別しておきましょう。
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文部科学省の派遣で押さえる3つの前提
① 行き先は選べない。派遣先は文部科学省が諸条件を総合的に考えて決めます。希望しない国・地域を申告することはできますが、「パースに行きたい」と指定して応募する制度ではありません(派遣先の通知は12月中の予定)。派遣の全体像は日本人学校の派遣教員の実際にまとめています。
② 区分は3つ、期間は原則2年。現職派遣・シニア派遣・プレ派遣があり、派遣期間は原則2年間、評価等に応じて1年ずつ延長できます(2年が限度)。帯同できる家族は、現職が配偶者と18歳以下の子、シニアは配偶者のみ、プレは本人のみです。資格や経験年数は日本人学校の先生になるにはをどうぞ。
③ 給料は「手当」で決まる。派遣教師には在勤基本手当・住居手当・配偶者手当・子女教育手当などが支給されます。文部科学省は、教諭で経験10年の例として在勤基本手当を約24〜30万円と示していますが、住居手当は派遣先ごとに違います。詳しくは日本人学校の教員の給料で整理しています。募集の要項と日程は日本人学校の教員募集(派遣教師の公募)をご覧ください。
パースならではの現実:4学期制と、現地校と同じ敷地
パース日本人学校は1998年に4学期制を取り入れ、学期の区切りを現地校に近づけました。年間報告によれば、2025年度の授業日数は平均194日です。日本の3学期制・4月始まりの感覚のまま赴任や転職の時期を考えると、ずれが出ます。子どもを連れて行く場合の学年のつなぎ方も、このずれを前提に考える必要があります。
もうひとつの特徴は、2018年から現地の公立小学校City Beach Primary Schoolの敷地内に移り、グラウンドや施設を共有していることです。クロスカントリー大会やアスレチックカーニバル(運動会)は合同で行い、綱引きや玉入れ、ソーラン節といった日本の競技も一緒にやります。現地校との行事の調整や英語でのやりとりは、この学校で働くうえで日常の一部になります。
パースには全日制の日本人学校とは別に、土曜日に学ぶ補習授業校もあります。こちらはパース補習授業校の記事で整理しています。
パースに住んだまま、日本の子どもを教える道
派遣は行き先を選べず、学校の現地採用も募集が出るとは限りません。一方で、配偶者の仕事や移住ですでにパースに住んでいる先生もいます。そうした方に知っておいてほしいのが、住む場所を変えずにオンラインで教えるという選択肢です。パースと日本の時差は1時間で、西オーストラリア州にはサマータイムがないため一年中変わりません。日本の子どもの放課後の時間帯と、ほぼそのまま重なります。

ともだちじゃぱんは、日本人学校でも文部科学省の派遣制度でもありません。海外に住む日本にルーツを持つ子どもに、オンラインで日本語と学びを届けるスクールです。授業は8人の少人数グループで担任制。全授業オンライン・フルリモートで、海外在住のまま勤務でき、週1コマから始められます。
報酬はテーブルを公開したうえで担当生徒数に連動します。”例”として副業スタートで月10万円〜、在宅中心で月25〜30万円、フルコミットで月40〜70万円台。あくまで例であり、保証される金額ではありません。研修は教員コミュニティ「授業てらす」(累計1,200名超)が支えています(海外在住のままオンラインで教える働き方)。
大変な面も正直に書きます。海外の学校に勤めるわけではないので「在外教育施設での勤務経験」にはなりません。担当する生徒が増えるまでは報酬も控えめで、対話型のグループ授業は慣れるまで準備に時間がかかります。それでも、派遣の選考に通らなかった方(不合格だったときの次の一手)や、学校の現地採用の空きを待っている方、パースでの生活を動かしたくない方には、現実的な一手になります。
パース日本人学校は、いま教員を募集していますか?
2026年9月25日時点で、学校の公式サイトに採用情報のページはありません。教職員は文部科学省の派遣教員と現地採用の教員で構成されると学校が明記しているので、現地採用に関心があれば学校に直接お問い合わせください。
パース日本人学校の先生は何人いますか?
学校の年間報告(2025年版)では、文部科学省からの派遣教員が9人、現地採用の職員が9人です。現地採用には事務職員や英語科の教員も含まれます。
文部科学省の派遣で、パースを希望できますか?
希望しない国・地域を申告することはできますが、派遣先は文部科学省が決めます。特定の都市を指定して確実に行ける制度ではありません。最新の運用は文部科学省の公式ページでご確認ください。
日本の教員免許だけで、パースで教えられますか?
学校の現地採用で教える場合、西オーストラリア州の教員登録と就労できるビザが関わります。何が必要かは雇用の形によって変わるため、西オーストラリア州教員登録委員会と学校に必ず確認してください。オンラインで日本の子どもを教える仕事なら、パースに住んだままでも始められます。
日本から赴任したい方は文部科学省の派遣を、パースに住んでいる方は学校の現地採用を。そのうえで「募集が出るまで待てない」「パースでの生活はそのままにしたい」という方へ。時差1時間のパースからなら、住む場所を変えずに日本の子どもの担任を持てます。未経験・資格なしOK、週1コマからの相談を歓迎します。
採用の詳細や働き方はともだちじゃぱんの採用ページをご覧ください。派遣の要項とスケジュールは日本人学校の教員募集の要項もどうぞ。



