香港日本人学校の評判や口コミを調べると、よく出てくるのは「英語教育が手厚い」「インターっぽい雰囲気」「統合して遠くなった」「人数が減っている」「給食がなくてバス通学」「台風で休校がある」といった話です。どれも本当なのか。この記事では、香港日本人学校(Japanese International School:JIS)が公式サイトで公開している学校紹介資料・納付金一覧・よくある質問・お知らせ(2026年10月20日確認)を読み、口コミでよく見る話題を一つずつ確かめます。
先にお断りしておくと、香港日本人学校は保護者の満足度やアンケートの数字を公開していません。そのため、この記事は「満足度◯%」ではなく、学校が自分で書いている事実で評判を読み解きます。良い話も、入る前に知っておきたい話も、同じ重さで書きます。なお、ネット上の口コミの多くは2026年度の統合より前に書かれたものです。「香港校は〜」「大埔校は〜」と校舎別に書かれた情報は、いまの学校にはそのまま当てはまりません。

まず基本――2026年度に2校が統合し、大埔キャンパスの1校になった
香港日本人学校には、もともと香港島ハッピーバレーの香港校と、新界の大埔校の2つの校舎がありました。2025年2月19日に学校経営理事会が統合を発表し、学校は現在「2026年度から旧香港校と旧大埔校が統合し、香港日本人学校(JIS)として新たな歩みを始めました」と公表しています。校舎は大埔キャンパスに一本化され、住所で通う校舎が分かれる学区制もなくなりました。
| 区分 | 旧・香港校 | 旧・大埔校(日本人学級) |
|---|---|---|
| 小学部 | 136名 | 164名 |
| 中学部 | 99名 | ― |
| 小計 | 235名 | 164名 |
日本人学級は、文部科学大臣から国内の学校と同じ教育課程を持つと認められた全日制の学校で、日本の学習指導要領と日本の教科書で授業をします。同じ校舎には、国際バカロレア(IB)のPYPで学ぶ国際学級もあります。統合のいきさつと大埔キャンパスの場所は香港日本人学校大埔校とはで書いています。
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評判1「英語教育が手厚い」――本当。通常学級でも週5時間以上
いちばんよく聞く話で、これは事実です。日本人学級でも、英語の時間は日本の公立校よりかなり多く組まれています。
| 学級 | 英語の時間と内容 |
|---|---|
| 小学部 通常学級 | 全学年で週5時間以上の習熟度別英語。図画工作(小2〜小6)と水泳は英語で行う |
| 小学部 グローバルクラス(小4〜小6) | 算数と理科も英語で学ぶ。日本語と英語がおよそ50%ずつ。1クラス最大20人 |
| 中学部 | 全学年で週6時間の習熟度別英語(日本の中学校の約1.5倍) |
ネイティブの英語教員による少人数指導、毎学期の「イングリシュ・トリップ」、英語暗唱大会もあります。ただし、英語以外の教科は日本語です(グローバルクラスの算数・理科を除く)。インターのように英語で生活できるようになる学校ではありません。グローバルクラスに入るには編入学試験に合格する必要があり、2026年10月1日には2027年度4月の編入学試験の出願開始が学校から案内されています。くわしくは香港日本人学校のグローバルクラスで書いています。

評判2「インターっぽい雰囲気」――半分本当。国際学級と同じ校舎だが、授業は別
香港日本人学校の大きな特徴は、日本人学級と国際学級が同じ校舎にあることです。学校紹介資料によると、国際学級には25か国籍・4歳から11歳の児童165名が在籍しています。特別教室・グラウンド・プールは共用で、学校は登校時間や休み時間を合わせる工夫をしていると説明しています。校長メッセージには、朝のエントランスが「おはようございます」「Good morning!」「早晨」であふれる、という一節があります。
一方で、日本人学級と国際学級はカリキュラムがまったく別です。日本人学級の子は、日本の教科書で、日本語で学びます。「インターに通っている」状態とは違い、「多国籍の子がいる校舎で、日本の学校に通う」と考えるのが正確です。インターと迷っている家庭の比べ方は香港の日本人学校とインターの比較で書いています。
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評判3「統合して遠くなった」――香港島に住む家庭には本当
大埔は香港の中心街から北へ約20kmの新界にあり、学校は大埔自然保護区に面し、吐露湾(トロー湾)を望む高台にあります。近くには香港中文大学があり、緑の多い落ち着いた場所です。九龍・新界に住む家庭には通いやすく、香港島に住む家庭には通学が長くなりました。以前は香港島の子は香港校に通っていたので、口コミの「遠くなった」は香港島側の声です。
通学はほとんどの子がスクールバスです。バスを運行しているのは学校ではなく、保護者が運営する「バス会」という任意団体で、路線によっては空席待ちになることもあります。2026年度の会費は小学部が香港島2,350香港ドル・九龍・新界2,132香港ドル、中学部は2,613香港ドル(いずれも月額)です。住まいを決める前に、その住所が入る路線と空きを確かめるのが安全です。くわしくは香港日本人学校のスクールバスで書いています。
評判4「人数が減っている」――本当。最大約2,100人から約400人へ
1990年代には、3つの校舎を合わせて最大およそ2,100人が在籍していました(日本語版ウィキペディアの記載)。統合直前の2025年6月の学校資料では、2校の日本人学級を合わせて約400名です。学年に何クラスもあった時代とは、人間関係の広さがかなり違います。
ただ、人数が少ないことは悪い面ばかりではありません。英語の習熟度別授業やグローバルクラスの最大20人という規模は、少人数だからこそ組める面もあります。学年の人数や中学部のようすは香港日本人学校の中学部で書いています。
評判5「給食がなく、毎日お弁当」――本当。持ち物は香港でそろう
学校のよくある質問には「香港では給食がありません。また、ほとんどの子供はバス通学をしています」とあり、お弁当と水筒をひとつにまとめられるリュック型のかばんがすすめられています。ランドセルは持っていれば使ってよく、なければほかのかばんでかまいません。
うれしいのは、学校が「原則として日本から買ってこなくてはならないものは、特にありません」と書いていることです。指定のノートなども香港で買えます。制服は業者の店舗・オンラインショップのほか、毎週水曜日の8時30分〜15時に学校でも販売されています。くわしくは香港日本人学校の制服で書いています。
評判6「台風で休校になることがある」――本当。家族でルールを共有しておく
香港では、台風のシグナル8以上や、赤・黒の豪雨警報が出ると社会全体が止まります。学校は警報が出たときの規定に従って休校や緊急下校をすることがあると案内しており、バス会も警報のときの対応を別の文書で決めています。日中に急に子どもを迎えに行くことになる場合もあるので、着任したら最初にこのルールを家族で確かめておくのがおすすめです。
評判に出てこない部分――入る前に知っておきたいこと
| 項目 | 学校が公開している内容 |
|---|---|
| ビザ | 子どもの家族居住ビザ(Dependent Visa)が必須。オンライン登録をしていても、編入時にビザがなければ受け付けられない |
| 深センからの通学 | 認めていない(香港の条例と、安全・移動時間の負担のため) |
| 学年 | 年齢に合う学年より上や下の学年には入れない |
| 体験入学 | 現在は実施していない |
| 入学金 | 令和8年度(2026年度)は香港政府の指示により徴収しない |
| 学校施設費(ACL) | 15,960香港ドルを毎年支払う(編入時に一括、次の年からは年度初め) |
費用は、2026年度の授業料が小学部月5,710香港ドル、中学部月6,770香港ドル、グローバルクラス月9,970香港ドルです。「入学金がない」だけを見て初期費用を軽く見積もると、毎年かかる学校施設費の分だけずれます。香港のインターと比べると、日本人学校との差は2〜3倍ほどで、ほかの国より差が小さいのも香港の特徴です。内訳とインターとの比較は香港日本人学校の学費にまとめています。
どんな家庭に合う学校か
学校が公開している事実から見ると、香港日本人学校は「数年で日本へ帰る予定で、日本の学校の勉強を続けながら、英語にもしっかり触れさせたい家庭」にいちばん合う学校です。日本と同じ教科書・同じ教育課程で学びつつ、通常学級でも英語が週5時間以上あり、同じ校舎に多国籍の子どもたちがいるからです。九龍・新界に住む予定なら、通学の面でも通いやすくなります。
反対に、香港に長く住む予定の家庭や、英語で学ぶことを最優先にしたい家庭は、インターナショナルスクールを選ぶことも多くなります。その場合に問題になるのが、日本語の読み書きをどう続けるかです。週末の補習校という選択肢については香港の日本語補習校で書いています。日本人学校に通う場合でも、人数が約400人規模になったいま、日本語で話す相手が同じ学年の数人に固定されがちだという声は出てきます。香港と日本の時差は1時間なので、下校後の時間がそのまま日本の夕方と重なります。
よくある質問(香港日本人学校 評判)
香港日本人学校の評判はどうですか?
口コミでよく見る「英語教育が手厚い」「国際学級と同じ校舎」「給食がなくバス通学」「台風で休校がある」は、学校の公開情報で確かめるとどれも事実です。「インターっぽい」は半分本当で、日本人学級は日本の教科書で日本語で学びます。「遠くなった」は2026年度の統合で香港島に住む家庭に当てはまる話です。学校は満足度の数字を公開していません。
香港校と大埔校はどちらに通いますか?
2026年度から2校は統合され、香港日本人学校(JIS)1校として、授業はすべて大埔キャンパスで行われています。学校が閉校したわけではありません。住所で校舎が分かれる学区制もなくなりました。
生徒数は何人ですか?
統合直前の2025年6月の学校資料では、旧香港校が小学部136名・中学部99名、旧大埔校の日本人学級が小学部164名で、合わせて約400名です。このほか国際学級に25か国籍の165名が在籍しています。
英語の授業はどれくらいありますか?
小学部の通常学級は全学年で週5時間以上、中学部は全学年で週6時間の習熟度別英語があります。小4〜小6のグローバルクラスでは算数と理科も英語で学びます。グローバルクラスは編入学試験に合格する必要があります。
給食や制服はありますか?
給食はなく、毎日お弁当と水筒を持っていきます。制服はあり、業者の店舗・オンラインショップのほか、毎週水曜日に学校でも買えます。学校は、日本から必ず買ってこなければならない持ち物は特にないと案内しています。
体験入学や深センからの通学はできますか?
体験入学は現在実施していません。深センからの通学も、香港の条例と安全面・移動時間の負担を理由に認められていません。編入には子どもの家族居住ビザ(Dependent Visa)が必須です。
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